野球の選手交代とシート変更の違いは?審判の指示からアナウンスするまでの流れも解説

・試合のアナウンスを頼まれたけど、選手交代のセリフが分からない
・選手交代のセリフを言うまでの流れが知りたい

わたしも急にアナウンスをすることになり、すごく不安になった経験があります。
アナウンスを成功させるためには、全体の流れに沿った台本に加えて「選手交代」と「シート変更」の違いについて理解しておくことが必須です。
そこで今回は、野球の選手交代とシートの変更について解説します。
「選手交代」とは?
守備がベンチに控えたメンバーと交代すること
選手交代とは、試合に出ている9人の誰かがベンチに控えたメンバーと交代することです。
一度ベンチに戻った選手は、その試合に出ることはできません。
チーム監督が選手交代を球審に伝えて、球審が相手ベンチと本部(アナウンス席)に報告します。
例えば…

『レフト(守備位置)に代わって、新たに13(背番号)が入ります』

『〇〇(チーム名)、選手の交代をお知らせします。
レフト (守備位置) 山田 くんに代わりまして、 伊藤 くんが入ります。
9 番(打順) レフト (新守備位置) 伊藤 くんに代わります。』
という流れです。
打者(バッター)がベンチに控えたメンバーと交代すること
本来の打者(バッター)がベンチへ退き、ベンチで控えていた選手が入って打者になることを『代打』と言います。
ピンチヒッター(PH)とも呼ばれます。
一度ベンチに退いた選手は、その試合にでることはできません。
例えば…

『代打に12(背番号)が入ります』

『 〇〇 (チーム名)の代打をお知らせします。
8 番(打順) 田中 くんに代わりまして、バッター 石川 くん。』
ただし、各回の一人目から代打が入る場合は、同時に攻撃開始の案内もするのでセリフは以下のようになります。

『 〇 回の表・裏、〇〇(チーム名)の攻撃は、 8 番(打順) 田中 くんに代わりまして、バッター 石川 くん。』
という流れです。
ちなみに…
代打がそのまま守備につく場合は、のちに審判がお知らせにきます。
走者(ランナー)がベンチに控えたメンバーと交代すること
塁に出たランナーがベンチの選手と交代することを『代走』と言います。
交代する理由は、「デッドボールで走れない」「足が速い選手と交代するため」などです。
ピンチランナー(PR)とも呼ばれます。
一度ベンチに退いた選手は、その試合にでることはできません。
例えば…

『代走に14(背番号)が入ります』

『〇〇(チーム名)の代走をお知らせします。
ファースト/セカンド/サード(該当する塁)ランナー 木下 くんに代わりまして 鈴木 くん。』
という流れです。
「シートの変更」とは?
試合のメンバー内で守備位置が変わること
シートの変更とは、試合に出ているメンバー内で守備位置が変わることです。
例えば、ピッチャーとキャッチャーが変わることを指します。
【パターン1】2名の守備位置が変更する場合
例えば…

『シート(守備)の変更です。
サードとピッチャーが交代します。』
注:審判によって「5と1」と番号で伝える場合もある。

『〇〇(チーム名)、シートの変更をお知らせします。
サード (守備位置) 柳田 くんが、 ピッチャー (新守備位置)へ、
ピッチャー (守備位置)の 川野 くんが、 サード (新守備位置)に代わります。
3 番(打順) ピッチャー (新守備位置) 柳田 くん、
5 番(打順) サード (新守備位置) 川野 くん、以上に代わります。』
注:打順は番号の早い順から言うのが基本。
【パターン2】3名の守備位置が変更する場合
例えば…

『シート(守備)の変更です。
5が1、1が6、6が5、以上。』
注:審判によって「サードがファースト」という言い方をする場合もある。

『〇〇(チーム名)、シートの変更をお知らせします。
サード (守備位置) 柳田 くんが、 ピッチャー (新守備位置)へ、
ピッチャー (守備位置)の 川野 くんが、 ショート (新守備位置)へ、
ショート (新守備位置)の 前田 くんが、 サード (新守備位置)に代わります。
1 番(打順) ショート (新守備位置) 川野 くん、
3 番(打順) ピッチャー (新守備位置) 柳田 くん、
5 番(打順) サード (新守備位置) 前田 くん、以上に代わります。』
注:打順は番号の早い順から言うのが基本。
【パターン3】代打がそのままピッチャーになる場合
例えば…

『代打がそのままピッチャーに入ります。』

『〇〇(チーム名)、さきほど代打いたしました 石川 くんが、そのままピッチャーに入ります。
3 番(打順) ピッチャー (新守備位置) 石川 くん。』
【パターン4】キャッチャーがピッチャーへ、代打がキャッチャーになる場合

『キャッチャーがピッチャー、さっきの代打がキャッチャーに入ります。』

『〇〇(チーム名)、シートの変更をお知らせします。
さきほど代打いたしました 石川 くんがキャッチャーへ、キャッチャーの 森 くんがピッチャーに代わります。
3 番(打順) キャッチャー (新守備位置) 石川 くん、
4 番(打順) ピッチャー (新守備位置) 森 くん、以上に代わります。』
注:打順は番号の早い順から言うのが基本。
「シートの変更ならびに選手交代」とは?
シート変更と選手交代が同時に起きることです。
【パターン1】守備位置の変更&ベンチから新たに選手が入る場合
例えば…

『センターがライト、ライトがレフト、レフトに代わって11番がセンターに入ります。』
注:審判によって守備位置を「8が9」と番号で伝える場合もある。

『〇〇(チーム名)、シートの変更ならびに選手の交代をお知らせします。
センター (守備位置) 谷山 くんが、 ライト (新守備位置)へ、
ライト (守備位置)の 佐藤 くんが、 レフト (新守備位置)へ、
レフト(新守備位置)の 永井 くんに代わりまして、 前田 くんがセンター (新守備位置)に入ります。
2 番(打順) ライト (新守備位置) 谷山 くん、
8 番(打順) レフト (新守備位置) 佐藤 くん、
9 番(打順) センター (新守備位置) 前田 くん、以上に代わります。』
注:打順は番号の早い順から言うのが基本。
まとめ
選手交代は、ベンチに控えている選手が新たに入ることを指します。
一方でシートの変更とは試合に出ているメンバー内で守備位置が変わることです。
一度ベンチに退いた選手は、その試合にもう一度でることはできません。
選手交代とシート変更の違いを理解しておくと、スコアやアナウンスをする際に役立ちます。

選手の交代が多い場合、聞き取るだけでは覚えられないので、メモを取ることも重要です。
球審か審判が本部に近づいてきたら、なにかしらの変更があると思って、メモを取る準備をしてくださいね。